脱炭素に向けた取り組み

再生可能エネルギーの主流化による持続可能な社会の実現や2050カーボンニュートラル、グリーン成長戦略により、再エネの大量導入をはじめとする脱炭素社会実現への取り組みが加速しています。
私たちは、「ゼロカーボン関連業務」や「脱炭素先行地域づくり」を通じて、再エネ事業を共同で展開する地方公共団体、地元企業との連携を図り、脱炭素化の推進や再エネによる地域経済への貢献など、社会課題の解決に取り組んでいます。

地元産材を活用した木造発電所から生み出される熱を地域の交流施設で有効活用(熱電併給)

内子龍王バイオマス発電所

内子龍王バイオマス発電所は、内子町森林組合に出材された原木約3,600t/年の間伐未利用材により製造されたペレットを燃料に用いて発電します。発電した電力はFIT制度を利用して四国電力送配電へ全量売電するとともに、発電の際に発生する熱は隣接2施設へ供給する計画です。これによりエネルギー効率を75%に高めます。
発電システムは、ブルクハルト社(独)製の小型高効率木質バイオマス熱電併給装置を採用します。木質ペレットについては内藤鋼業小田ペレット工場より調達する計画で、その稼働実績を活かした安定的かつ確実な施設運営を目指しています。

発電所建屋は、町産材による木造建築とし、内子町景観まちづくり条例に配慮したデザインにより「観光資源として見せる発電所」となるよう計画しました。事業主体は、2021年9月に5社(竹中工務店、三洋貿易、内藤鋼業、サイプレス・スナダヤ、当社)の共同出資で設立した「株式会社内子龍王バイオマスエネルギー」とし、「内子町龍王地区の木質バイオマス熱電併給に関する基本協定書」を締結した同町からの各種支援に加え、地元企業20社からの優先出資など地域が一体となって事業実現に関与する仕組みを導入することで、地域内に新たなエネルギーと経済の循環を構築します。

今後、本事業を通じ、地域の脱炭素化や防災力強化に寄与する木質バイオマス発電事業として、地方公共団体や地元企業と連携した「木質バイオマスによる持続可能なまちづくり」の先導モデルとなるよう取り組んでいきます。

豪州でのグリーン水素製造、太平洋島嶼国で利活用

私たちは双日株式会社を代表事業として応募した、環境省の「令和3年度水素製造・利活用第三国連携事業(二国間クレジット制度資金支援事業のうち水素製造・利活用第三国連携事業)」案件が採択され、豪州(第三国)でのグリーン水素製造・パラオ共和国(島嶼国)への輸送・燃料電池および燃料電池船舶による利活用を促進する実証事業に携わっています。実証事業は2021年度から2023年度の3か年にわたって行っています。

実証事業の内容は、豪州クイーンズランド州において太陽光発電電力によりグリーン水素を製造し、島嶼国での水素普及の足がかりと成り得る小型燃料電池、小型船舶への適用に関する実証を行うものです。双日が、実証事業の代表事業者としてプロジェクト全体の総括やパラオでの現地調査、設備導入サポートを担い、共同事業者としてCS Energyがグリーン水素の製造と供給を行い、私たちは島嶼国におけるエネルギー需給状況を踏まえ、水素の用途・需要見通しの調査、グリーン水素の海上輸送による経済性やCO2削減効果等の分析を行います。水素の利活用地であるパラオ共和国は、電力の大部分を化石燃料発電に依存しているため、脱炭素化の機運が高く、2025年までに発電量の45%を再生可能エネルギーにシフトさせる計画が策定されています。

日豪両国政府は、脱炭素社会に向けたパートナーシップを立ち上げ、水素政策に関わる相互連携を宣言し、第9回太平洋・島サミット(PALM9)においても両国で協力しながらグリーン水素の活用推進を表明し、島嶼国のグリーン水素の可能性を探求することで合意しており、政府の宣言に基づいた取り組みが本事業の背景にあります。

あきた次世代エネルギーコンソーシアム設立

世界の150カ国以上がカーボンニュートラルを宣言するなど、カーボンニュートラルに向けた取組みは世界規模で広がっています。我が国においても、2020年10月に当時の菅総理が「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、再生可能エネルギーの導入や水素・アンモニアなどの次世代エネルギーの実用化に向けた取組みが進められています。さらに、2023年6月には6年ぶりに改定された「水素基本戦略」において、2040年までの水素供給量を現在の6倍となる年1,200万トンとする新たな目標が盛り込まれました。

このような中、秋田県では、良好な風況を活かした風力発電開発が進められており、脱炭素化の推進やエネルギー安全保障の確立への大きな貢献が期待されています。秋田県の再生可能エネルギーを活かし、秋田県の地域・経済の活性化と我が国の脱炭素化・エネルギー安全保障の確立に資する、秋田県を起点とした水素やアンモニアなどの次世代エネルギーのサプライチェーン構築を目指し、課題の共有や調査研究、ビジネスモデルの検討などを行う場として、当社は、県内企業とともに共同発起人となり、「あきた次世代エネルギーコンソーシアム」を設立しました。

本コンソーシアムでは、秋田県が日本の次世代エネルギーの供給拠点となり、我が国のグリーンエネルギーを牽引する、持続可能で活力ある地域となるよう活動しています。

「あきた次世代エネルギーコンソーシアム」の詳細は、下記よりご確認ください。