豊かな環境創造への取り組み

人と生物が豊かに暮らせる環境の創造

社会基盤施設は人が安全に住まい、便利に暮らすためにつくられますが、それだけではなく、同時に豊かな自然環境を保全・創造する、あるいは多様な個性を持つ人々が楽しく文化的な日常を送る舞台となる、といった役割も担います。
私たちは技術とデザインの力で、こうした複合的課題に向き合い、より価値の高い環境を提供します。

例えば「多自然川づくり」では、治水目的の単機能施設を整備するのではなく、石という自然素材をうまく組み合わせながら、流れる水や河床の砂の性質や特徴を活かして水制工・根固工・魚道工等の配置や形状をデザインしています。川自身が持つ力で、本来の姿である瀬や淵を生み出せるように手助けをするのです。その自然に近い多様な空間に、希少種を含む多様な生物が生息し、豊かな生態系が構築されます。

あるべき姿を求め、「場」の持つ力を引き出し、良いもの、良い環境を後世に遺す。この思いで今後も取り組んでまいります。

(一社)石積み学校主催「第1回 石積み甲子園」に協賛しました

石積みとは、棚田や段々畑など、地域の持つ特徴・環境に合わせて構造物をつくる技術で、昔からさまざまな用途で用いられていますが、地球環境との共生が求められる近年では、日本のみならずヨーロッパなどでも再注目されている技術です。

材料は、近くにある自然石を使うために、製造・運搬などによるエネルギー消費が少なく、環境への負荷が非常に低いという特徴があります。一方で、石積み技術を習得した人たちの高齢化が進み、棚田や段々畑を維持することが難しくなっているという問題があります。このような特徴を持ち、日本の原風景ともいわれる棚田や段々畑などに残る石積みの修復技術を高校生が競う「第1回石積み甲子園」が、石積み技術の伝承を目的に設立された一般社団法人石積み学校の主催により、2023年11月4日に徳島県神山町で開催されました。

当社は、企業理念である「大地と空間、人と社会の可能性を引き出し、未来を拓く」、および価値観「誠実に、現場、人、失敗から学び、社会に貢献する」に、合致するこのイベントに協賛しました。

子供たちを対象に水辺環境学習を実施

持続可能な水辺環境の保全と創出を目指し、未来を担う子供たちを対象に自然の豊かさと環境を守り育てる大切さを共有することを目的とした環境学習を実施しております。子供たちの環境保全への意識・関心は高く、今後も学校や福祉施設、自治体などからの要望に応えて環境学習の機会を提供してまいります。

中学生・高校生を対象とした荒川での体験型学習会の様子
小学生を対象とした出前教室の様子