トンネル

物流や地域連携の拡大に大きな役割を担うトンネルは、安全で地形改変の少ない道路構造物として重要性を増しています。当社は、トンネルの本体設計から建設後の維持管理まで適切な計画・設計を提案します。

国土の約70%が山地であるわが国において、物流や地域連携の拡大に大きな役割を担うトンネルは、狭小な国土の地下空間を有効利用する上でも、安全で地形改変の少ない道路構造物として重要性を増しています。また、2014年でのトンネルの総延長は4,323,609m※1だったのに対し、2019年には5,097,859m※2と今なおトンネルの需要は増加しています。

当社は、トンネルの本体設計から建設後のトンネルの点検、老朽化する設備の更新、長寿命化修繕計画など、各事業において適切な計画・設計を提案しています。また、調査・点検における新技術やDXの活用を事業に取り組み、積極的なコストパフォーマンスの追求と工期の効率化を図ります。

トンネル設計

新設トンネルの設計では、利用者の利便性、安全性、また、立地によって異なる条件を精査し、施工性、景観性、維持管理性やコスト縮減を最大限に配慮することが求められます。

本体設計

構造規格を満足する安全で経済的なトンネルの本体設計では、計画箇所の地質条件や立地条件等の特長と、供用後の維持管理などを考慮し、形状・規模・工期及び施工方法などを決定します。

当社は、内空断面検討、地山分類・補助工法検討、坑門工設計、支保構造設計、防水工・排水工・舗装工設計、施工計画・仮設備計画などのほか、山岳トンネル工法(NATM)などのさまざまな工法に対応するトンネル全般の設計が可能です。また、複雑な坑口付近の構造物・法面の状況や、既設トンネルとの交差状況などをBIM/CIMの導入によって視覚化し、関係者協議や地元説明に活用しています。

設備設計

トンネルは閉鎖された空間であるため、トンネル内の視認性・明るさの確保、火災やその他の事故への防災対策が必要となります。当社は、トンネル内に設置される照明設備を始め、換気設備、非常用施設(通報・警報設備、消火設備、避難誘導設備、給水栓、ラジオ再放送設備、監視装置、受配電設備などのトンネル関連設備のすべての設計に対応しています。また、近年増加している老朽化に対し、日常の交通を確保しながら設備を更新する設計も実施しています。

トンネル保全

トンネルという社会資本を将来的に安心して利用できるよう、熟練した点検技術と診断技術を駆使した的確な劣化診断と、点検・診断の結果から必要と判断される補修・補強設計およびトンネルの長寿命化に取り組んでいます。また、熟練した技術者の経験と併せ、非破壊検査機器から得た精度の高いデータ収集により、既存トンネル保全のための対策を提案しています。

点検・調査

現在、高度経済成長期に集中的に整備された多くのトンネルが更新の時期を迎えています。トンネルの安全を確保するため、打音検査・近接目視による点検を5年に一度実施することが義務化されています。

当社は、トンネル点検や劣化原因究明のための詳細調査を実施し適切な劣化診断を行います。また、点検作業・点検調書作成の精度向上や建設DXの取り組みとして、走行型画像計測やタブレットによる変状展開図作成・点検調書作成の自動化も取り入れています。

トンネル点検作業

タブレットを利用した点検作業

花立トンネルでの走行型画像計測の様子

  • 画像提供:茨城県常陸大宮土木事務所

走行型画像計測機材

走行型画像計測による展開写真を利用した変状展開図

  • 画像提供:茨城県常陸大宮土木事務所

補修設計

劣化が進行したトンネルに対し、損傷した覆工コンクリ-トの補修や今後予想される劣化進行の抑制および覆工コンクリ-トの耐久性の回復と第三者被害の防止を目的とした対策工の設計に取り組んでいます。

当社は、豊富な構造物設計でのノウハウに加え、新技術を積極的に取り入れるとともに、劣化要因の的確な特定・排除による再劣化防止へ力を入れた対策を講じます。

損傷事例

補修設計図

長寿命化修繕計画

限られた財源において、高度経済成長期に集中的に整備された多くのトンネルを今後も安全に利用できるように機能を維持するためには、従来の対症療法的修繕から予防保全的修繕(小規模修繕)への転換を図り、長寿命化並びに修繕に係わる費用縮減の最適化が求められています。

当社は、トンネル定期点検や日常の維持管理から得られる莫大な情報を整理し、将来にわたって必要なインフラの機能を守るための修繕の優先順位、トータルコストの縮減・平準化する長寿命化修繕計画を策定し、利用者の安全・安心を確保します。

点検講習会

自治体職員の技術習得を支援するため、点検手法(打音検査・近接目視・記録方法)や診断技術について当社の熟練技術者が講師となり、実際のトンネルを利用した講習会を実施しています。

お問い合わせ先

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