地盤・地質解析

地震による液状化被害、水位低下による地盤沈下、斜面崩壊や土壌・地下水汚染問題など地下水に関する多くの問題に対して、さまざまな解析手法をご提案いたします。
地下水流動解析結果

1964年に起きた新潟地震によりアパートが何棟も傾き、液状化の被害が大きく取り上げられてから50年以上が経過しました。その後も地震による液状化被害が多く発生しており、地震時の液状化による構造物被害予測技術も進化しています。
また、地下水に関する多くの問題を概観すると、山間部のトンネル工事・大規模地下空洞工事での地下水・湧水処理と地下水賦存状況変化による影響問題、豪雨に起因する深層崩壊、平野部での地下空間の高度利用に伴う地下水処理と地下水流動変化問題、臨海工業地帯の過剰揚水による地盤沈下問題また土壌・地下水汚染問題等、地下水に関連する多くの問題が存在します。
これらの問題に対して、最適な解析手法をご提案しています。

振動台実験模型
振動台実験解析

有効応力解析

有効応力解析プログラムFLIPおよびLIQCAなどを用いています。
有限要素法に基づく有効応力解析は、地震時に発生する液状化や変形量の評価が可能であり、地盤上に構築された構造物の被害の予測、盛土構造物等の残留変形量の評価や液状化対策工の検討等を目的として実施します。

矢板の水平変位

(引用文献)
土田肇・野田節男・稲富隆昌他 :1983年日本海中部地震港湾被害報告,港湾技研資料,No.511,1985

浸透流解析および移流分散解析

岡山大学、当社、三菱マテリアル株式会社が共同開発した浸透流・移流分散解析「Dtransu-2D・EL、3D・EL」(ディ-トランス・ツウ-ディ・イ-・エル、スリ-ディ・イ-・エル)を用いています。
トンネル、掘割道路等の線状地下構造物を建設する際に生じる「地下水流動阻害状況」や「地下水対策工の概略検討」を三次元浸透流解析で評価・検証することにより、従来に比べて高い精度での対策検討、施工管理等に活用できます。
並列処理による大規模解析で、要素数600万程度までの定常・非定常計算実績があります。また、詳細なモデル作成には、複雑な地質・水理構造に対応できる大規模三次元モデル作成ソフト「Hypermesh」、また、大規模三次元解析結果可視化ソフト「EnSight」とリンクさせており、三次元的な地下水流動状況を再現させています。

Dtransu-3D・ELによる解析結果例(メッシュ鳥観図)
Dtransu-3D・ELによる解析結果例(地下水流向図)

(引用文献)
菱谷智幸・坂東聡:地下水流動解析による地下水挙動予測の現状と課題,基礎工2021,Vol49,No.6

土壌汚染対策法の施行に伴い、土壌・地下水汚染対策への関心が高まるなか、地下水汚染挙動や塩水化といった問題についての対策として、移流分散解析手法を用いた予測評価が注目されております。実規模のモデルに対して精度の良い地下水汚染挙動解析を可能にしています。

Dtransu-2D・ELによる地下水汚染挙動解析断面例①
Dtransu-2D・ELによる地下水汚染挙動解析断面例②

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