津波堆積物調査

津波によって運ばれて別の場所に堆積した砂や泥、石などの津波堆積物をボーリング掘削などにより調査・分析し、過去の津波の来襲した時代や到達範囲を明らかにします。
調査の流れ

津波によって運ばれて別の場所に堆積した砂や泥、石などを津波堆積物と呼びます。
ボーリング掘削によるコア、トレンチ調査による壁面などの過去数千年間に堆積した泥炭層や粘土層、砂層などの地層を詳細に観察、珪藻での微化石分析することにより津波堆積物を特定し、津波の来襲した時代や津波の到達範囲を明らかにします。
調査結果から、過去の津波による浸水域や規模を把握することができます。また津波シミュレーションを実施する際に、高品質なデータ(検証資料)として活用できます。

調査手法および特長

当社では、特別に改良した採土器(改良型パーカッション式採土器)を用い、軟らかい地層でも乱さずに地層(ボーリングコア)を採取します。
津波堆積物調査では、一般的に海岸に近い地点から陸側に向かって数本~十数本程度ボーリングを掘削する必要があります。これらについて、当社の改良型パーカッション採土器は、非常にコンパクトで小型の不整地運搬車や人力での搬入が可能であるため、道路から離れた場所でも3m×3mのスペースがあれば調査が可能です。
また、簡便な手法による調査のため、安価に調査ができます。

採取風景とボーリングコア(長さ1m)
改良型パーカッション式採土器の概要図

データ解析,調査事例

調査結果例

当社においては、ボーリングコアを採取し、その観察、分析を一貫して実施します。
右図に示す地点では、最大深度4m程度のボーリングコアを8箇所で採取しました。その結果、橙色で示した津波堆積物の可能性が高い地層が4層見つかりました。
このうち、上から3番目の津波堆積物が西暦869年の貞観津波の堆積物である可能性が高く、この時の津波は標高約3m~4m付近まで押し寄せたことがわかります。

適用例

  • 津波・高潮ハザードマップにおける津波到達範囲の検討資料
  • 津波シミュレーションにおける過去に発生した津波の再現解析によるモデルの検証に活用

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