お知らせ

令和6年度日本応用地質学会「論文賞」を受賞しました

塩ノ平断層と車断層の破砕帯における断層スリップ試験時の水圧応答解析

2024年07月02日


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弊社地圏環境事業部・地盤水理室 若濵 洋主幹、地質解析事業部・地質第2室 能城 悠ほか5名の共著論文が、一般社団法人日本応用地質学会から令和6年度論文賞を受賞しましたので、お知らせいたします。

一般社団法人日本応用地質学会では、学会誌「応用地質」および学会の刊行する学術図書に発表された論文あるいは報告の中で、学術・技術進歩発展に顕著な貢献をしたと認められるものに応用地質学会賞・論文賞を贈呈されております。
論文賞の審査は、過去2年度の論文又は報告を対象とし、編集委員会の予備審査を経て推薦された論文賞候補について、論文賞選考委員会において審査され、2編を超えない論文賞候補が選定され、理事会の承認を経て決定されます。


受賞論文

[応用地質,第64巻,第5号,1-19頁,2023]
若濵 洋*・能城 悠*・青木 和弘**・今井 宏太朗**Guglielmi, Y.***Cook, P.***Soom, F.***

* 大日本ダイヤコンサルタント株式会社
** 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構
*** 米国 Lawrence Berkeley National Laboratory



抄録
2011年4月11日の福島県浜通りの地震(Mw6.7)時,福島県南東部に北北西から南南東に伸びる約14kmの地表変状が生じ塩ノ平断層と命名された.その南方延長上の車断層では地表変状は認められなかった.両断層の活動性評価のため,前者の活動域上の塩ノ平地点と後者の非活動域上の水上北地点で,SIMFIP法による断層スリップ試験を実施した.両地点の断層破砕部への注水に対する水圧モニタリング孔での水圧応答から,断層部を挟む領域の水理特性をGRFモデル(Barker,1988)により評価し,透水係数,比貯留量,及び流れ次元を明らかにした.これらの水理パラメーターは国内外の文献値と整合的で,透水係数及び比貯留量は塩ノ平が水上北よりも大きく,流れ次元は塩ノ平が概ね三次元流であり,水上北が二次元フラクショナル流となる.また計測変位から算定される一軸膨張係数と水理解析での比貯留量の対比から,体積膨張は,前者が三軸,後者が一軸方向で生じると把握された.両地点の相違は,当該断層破砕部に賦存する「水みち」の空間的な発達状況の相違と密接に対応し,両地点の断層活動度に差異を生む要因と水理パラメーター等との関連性が示唆された.


キーワード:断層スリップ試験, GRFモデル, 流れ次元, SIMFIP法


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