お知らせ

「ストリートファニチャー 一宮の路上建築群」が、2023年度グッドデザイン賞を受賞しました

2023年10月12日




大日本ダイヤコンサルタント 建設コンサルタント写真提供:アンビエントデザインズ株式会社


大日本ダイヤコンサルタント
写真:大竹 央祐
大日本ダイヤコンサルタント
写真:大竹 央祐




大日本ダイヤコンサルタント株式会社がプロデューサーとして参画した「ストリートファニチャー 一宮の路上建築群」が、公益財団法人日本デザイン振興会より2023年度グッドデザイン賞を受賞しました。


受賞企業:アンビエントデザインズ株式会社
事業主体名:一宮市
受賞番号:23G151228
利用開始:2021年10月
設置場所:愛知県一宮市栄3丁目周辺 銀座通りの道路上


受賞対象の詳細

駅前通りの道路上に計画した家具以上、建築物未満の建築群。2021 年に「軒先の東屋」、「ファニチャーA」、「ファニチャーB」の3種類、2022年に「杜の舞台」が計画された。一宮市は、公共空間を人々の多様な活動の場へと転換するための社会実験を実施しており、路上建築群はこの社会実験をサポートするものとして構想された。

デザインのポイント

1.車主体の道路に「人間のための居場所」を作るという試み
2.「ランドマークかつランドスケープである」という建築的思考を用いてストリートファニチャーを設計した点
3.関係者の声、地域の文化や色彩を巧みに取り込み、仮設ながら日常の風景をつくりだしている点


プロデューサー

大日本ダイヤコンサルタント株式会社 森田紘圭+特定非営利活動法人まちの縁側育くみ隊 藤森幹人+アンビエントデザインズ株式会社 石黒泰司、和祐里

ディレクター

アンビエントデザインズ株式会社 石黒泰司、和祐里

デザイナー

アンビエントデザインズ株式会社 石黒泰司  

背景

近年、社会実験のためのストリートファニチャーは他行政でも多く見られる。これらの検討は、実験という側面から安く・早くという指標が重要であり、本プロジェクトにおいても初案はそのような評価軸で検討をおこなっていた。ある日、案を共有する市民ワークショップにおいて、「一宮の公共空間に設置されるものとして、固有の価値があるのか」という問いが出た。この問いかけを受け、仮設の設えではあるが、市民にとっては日常の一部であるということを強く再認識し、一宮にふさわしく、誇れるものであることを再考した。再検討にあたっては、計画地周辺を観察し、地名の由来にもなっている真清田神社周辺の塀や小屋を参照することを決めた。一方で懐古主義に偏することを避けるべく、計画地に存在する工作物(変圧器や街灯等)の形状や色彩も積極的に取り込むことによって、ランドマークでありながら環境と連続する、ランドスケープ的な構えとなった。

経緯とその成果

通常、道路上に工作物等を設置することはできないが、関係者との協議をおこない、「社会的な価値を有する」ことや「一定の要件を備える」ことを前提に、道路法の道路占用許可および、道路交通法の道路使用許可を取得し、道路上への設置が実現した。これら協議における意見や要請が、形態や意匠に大きく影響を与えている。人流解析において、歩行者数が設置以前より10%増となったことが定量的成果として挙げられるが、市民アンケートにおいても、9割の回答者より「とてもよい」との回答を得ることができ、日常的にも通りに人が滞在する風景が生まれている。この結果を受け、3週間限定の設置予定が設置後1年半を超えて延長されている。本計画は、特定の用途機能を満足することよりも、人々の声や地域の歴史文化、日常的な風景を形態へ反映することにより、それぞれの使い方やそれぞれの解釈へと開かれた公共空間を構築することに成功した。





【お問い合わせ先】

~ 人と自然が微笑む社会へ ~
DNホールディングスグループ
大日本ダイヤコンサルタント株式会社 広報室
e-mail:info@dcne.co.jp


DNホールディングスグループ・IRメールマガジン無料配信中
配信をご希望の方は、下記の配信登録フォームより登録をお願いします。
URL https://www.dcne.co.jp/IR/mailmagazine/