お知らせ

「気仙沼湾横断橋」が、2023年度グッドデザイン賞を受賞しました

陸と海つなぐ気仙沼の象徴として、地元市民に長く愛される橋

2023年10月05日



大日本ダイヤコンサルタント 建設コンサルタント

大日本ダイヤコンサルタント株式会社が設計を担当した「気仙沼湾横断橋」が、公益財団法人日本デザイン振興会より2023年度グッドデザイン賞を受賞しました。

受賞企業:国土交通省 東北地方整備局 仙台河川国道事務所 / 大日本コンサルタント株式会社
事業主体名:国土交通省 東北地方整備局 仙台河川国道事務所
受賞番号:23G151231
利用開始:2021/03/06
設置場所:宮城県気仙沼市

受賞対象の詳細

2011年の東日本大震災の津波により甚大な被害を受けた三陸沿岸地域の復興を担うリーディングプロジェクトとして三陸沿岸道路は事業化された.その中の象徴的な構造物である気仙沼湾横断橋は,宮城県気仙沼市の市街地を通る全長1334mの橋梁であり,気仙沼湾を渡る部分は橋長680mの3径間連続鋼斜張橋である.

デザインのポイント

1.作用する力に従って全体を曲線で滑らかにつないだ、シンプルながら美しくまとまりのある主塔形状
2.自然の風景に調和するやわらかな印象と耐風安定性向上とを同時に獲得できる面取りを施した主塔・主桁断面
3.懇談会やアンケートなど地域の声を基に、主張し過ぎず象徴性を表現する白色を選定、また夜間景観照明も実施


プロデューサー

国土交通省 東北地方整備局 仙台河川国道事務所

ディレクター

気仙沼湾横断橋 技術検討委員会

デザイナー

大日本コンサルタント株式会社 池田大樹、太田泰弘、末松慎介  

背景

三陸沿岸道路は、2011年の東日本大震災の津波により甚大な被害を受けた三陸沿岸地域の復興を担うリーディングプロジェクトとして事業化された。気仙沼湾横断橋は、その一部を構成し、災害時の道路ネットワーク確保および緊急活動支援、交通課題緩和、産業・観光支援を目的とし、東北復興のシンボルとして位置づけられた橋である。 計画に際しては、「建設コンセプト:気仙沼湾の象徴となり、自然豊かな風景と調和した地域の発展・復興を支える美しい形態の橋」および「設計コンセプト:東日本大震災の被害を踏まえ、想定外の事象に対しても損傷が制御され、維持管理しやすい橋」を設定し、新時代の橋梁構造として優れた安全性・維持管理性・修復性・冗長性を備えると同時に、自然豊かな気仙沼湾の風景に調和し、シンボルにふさわしい美しい佇まいとなるよう“構造デザイン”を行った。また、地域懇談会にも意見を伺い、親しまれる橋となるよう配慮した。

経緯とその成果

航行船舶等に支障しない支間300mを条件とし、合理的な構造として斜張橋を選定した。主桁の点検・補修作業を容易とする1面吊りケーブル、安定性を高める逆Y字主塔、津波時に鋼製主塔への船舶衝突を防ぐ海面から15m高さの塔基部RC橋脚を基本構造とした。これについて、全体的なまとまり感と、力の流れを考慮したバランスの良い形態を求めデザインを行った。主塔上部は曲線により滑らかに接続する一体的な形状とし、塔下部柱は部材幅を広げRC橋脚とともに橋を支える安定感を確保した。主塔断面は耐風安定性のため角を面取りした八角形(主桁は扁平六角形)としたが、視覚的にもスレンダーかつやわらかい印象とできた。橋には公募により気仙沼湾の別名である「鼎が浦」にちなみ、「かなえおおはし」という愛称がつけられた。夜間はLEDによるライトアップが行われており、地域の人々の夢や希望、願いを「かなえる」橋になると期待されている。






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