
自動運転を支援する路車協調システム
自動運転に対する社会的ニーズ
近年、特に地方都市においては、バス運転手の高齢化や人員不足等により、地域公共交通の維持・確保が困難となる中で、自動運転技術の活用に大きな期待が寄せられています。
自動運転技術の本格導入に向けては、一般車や歩行者等の多様な交通参加者が混在する道路空間において、安全面の確保が必要不可欠と言えますが、自動運転車に搭載された車両センサのみでは、自動運転車周辺の道路状況の把握が困難な場合も多く、本格導入に向けた課題となっています。
このような課題に対し、自動運転車と一般車等が混在する環境での安全・円滑な道路交通の実現、無人自動運転移動サービス※1 の早期実現に向け、道路インフラ側に設置したカメラ等によって道路状況を検知し、自動運転車や遠隔監視室へ情報提供を行う路車協調システムの技術的検証を目的とした実証実験が全国各地で行われています。
当社においても、令和5年度に鳥取市内で実施された自動運転バス試乗体験会と連携した路車協調システム実証実験の支援を行いました。
路車協調システムの基本的な構成
令和5年度実証実験で使用した路車協調システムは、ローカル 5G の活用により、大容量・低遅延・安定的な通信が可能なシステムです。加えて、高解像度な4Kカメラを用いた物体認識AIにより、交差点周辺の自動車、歩行者等の情報をデジタル化し、物標情報として自動運転車両へリアルタイムで情報提供を行いました。
実証実験の様子など
自動運転バス試乗体験会は、令和6年2月15日(木)~2月25日(金)までの9日間(運休日2日)行われ、この間、路車協調システムを介して、自動運転バスの車載センサでは把握できない進路前方の道路状況について、自動運転バスのドライバーへと情報提供を行いました。
政府目標※2として、2025年度を目途に地域限定型の無人自動運転移動サービス50ヶ所程度、2027年度までに100ヶ所以上で実現することが掲げられており、当社では、令和5年度実証実験で得られた知見等を活用しながら、目標達成に貢献するとともに、生活の足として欠かすことのできない地域公共交通の維持・確保等、種々の地域課題の解決に貢献してまいります。




※1 無人自動運転移動サービス
指定されたエリア内等、特定条件下における完全自動運転による移動サービスを指し、特定条件下においてシステムが運転を実施するもの。(作動継続が困難な場合もシステムが対応。)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001371533.pdf
※2 政府目標
デジタル田園都市国家構想総合戦略(令和4年12月23日閣議決定)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/pdf/20221223_honbun.pdf
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