橋梁維持管理能力向上プロジェクトフェーズⅡ

道路交通は、拠点のネットワークの構築、効率的・効果的な行政等のサービス提供、地域経済の活性化など、国の経済活動を支える重要かつ基本となる社会基盤です。日本では、道路管理者に対して橋やトンネルの点検が厳しく義務化され、道路交通網を守るための維持管理・長寿命化が計画的に行われています。一方、経済状況が厳しい途上国においては、専門の技術者が少なく、道路や橋梁の適切な維持管理作業がされずに老朽化が進んでいます。

こうした課題を抱える途上国から我が国に対して橋梁の維持管理に関する技術協力の要請がなされ、橋梁維持管理能力向上プロジェクトを実施しています。

ザンビア共和国 橋梁維持管理能力向上プロジェクト

ザンビア共和国は南部アフリカに位置し8つの国に囲まれた内陸国であり、道路網は首都ルサカを中心とした7つの主要回廊から構成されています。全国の道路総延長は約67,000kmで、そのうち約39,800kmが基幹道路網(Core Road Network for Zambia)とされ、うち約460橋の橋梁が含まれています。国内貨物輸送のほとんどが道路および橋梁を利用しており、道路交通網の整備はザンビアの経済活動を支える上で非常に大きな役割を果たします。

ザンビア国では、道路開発庁(Road Development Agency、以下「RDA」)を2002年に設立し、橋梁の点検および改修、日常維持管理業務を開始しましたが、技術者、技術能力の不足などの理由から橋梁の老朽化が進み、落橋等の危険な状態にさらされています。

プロジェクトの概要

2015年、ザンビア共和国からの橋梁の維持管理に関する技術協力の要請に応えるため、JICA「ザンビア国橋梁維持管理能力向上プロジェクトフェーズI」がスタートしました。維持管理ガイドライン・点検マニュアル等の整備、また、RDAに対し維持管理作業の基本的知識及び技術の習得、監理の能力向上を目指し、2年半のプロジェクトを実施しました。

2019年からは、橋梁維持管理体制を整え、国全体での橋梁の維持管理状況を改善するためにフェーズIの成果を地方の技術者へ普及・展開させる「ザンビア国橋梁維持管理能力向上プロジェクト フェーズII」を実施する運びとなりました。

コロナ禍でのプロジェクトの推進

プロジェクトでは、日本の技術者が現地の橋梁を使って損傷の種類と原因、点検方法などを技術指導する活動が含まれています。しかし、2020年に発生したCOVID-19の世界的な蔓延により、プロジェクト活動は大きく制限され、現地での活動が困難な状況となりました。ザンビア共和国の経済活動を支える橋梁を守るため、開発したメタバースhome360roomを2020年12月より導入し、コロナ禍においても橋梁点検技術移転の継続をしています。

メタバースhome360roomを使用した橋梁点検技術移転では、ザンビア共和国の特殊橋梁(チルンド橋:3径間PC箱桁、ビクトリアフォールズ橋:鋼アーチ橋)と類似した日本の橋梁を360度カメラで撮影し、その画像をVR空間で共有しながら、点検方法、損傷の種類と原因など、橋の特徴に合わせて確認を行っています。VR空間ではアバターの方向から声が聞こえ、その場にいる感覚で会話することができます。

外国にいながら日本の土木を間近に見ることができ、適切な維持管理によって社会基盤が支えられていることを体感することができます。メタバースhome360roomは、他国での橋梁維持管理能力向上プロジェクトにも貢献できると考えています。

  • メタバースとは、3次元のVR空間にてアバター同士でコミュニケーション、会議、教育、講習などを開催するソリューション

home360room:https://home360.co.jp/metaverse/

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