平成30年度 土木学会田中賞(作品部門)受賞

周辺に調和しながらも四十数年の技術的進展が感じられる橋

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天門橋は、九州本島と天草諸島を繋ぐ天草五橋の1号橋として1966年完成し、当地の産業振興や生活環境の向上に重要な役割を果たしています。三角ノ瀬戸を跨ぐ最大支間300mは、完成当時、連続トラス橋として世界一を誇り、第一回土木学会田中賞に輝いています。

このような歴史を持つ天門橋に並んで、新たに架けられる天城橋は、熊本天草幹線道路整備の一環として建設される自動車専用橋で、「周辺に調和しながらも四十数年の技術的進展が感じられる橋」をコンセプトととして予備設計を進めました。

橋梁形式選定においては、大学教授を含めた有識者で構成される「新天門橋技術検討委員会」の助言もふまえて、トラス橋、エクストラドーズド橋、アーチ橋の比較から、以下の理由で「鋼PC複合アーチ橋(中路式)」を選定しました。

新天門橋検討用模型
新天門橋検討用模型
  • 地形に納まる美しさに秀でるという素質を有するとともに、経済性にも優れる。
  • 三角ノ瀬戸を一跨ぎする姿は、現天門橋と「地形状況への対応の姿」として調和し、長大支間橋としても技術的進展が見てとれる。
  • 複合構造部については今後の検討が重要であるが、維持管理の面でも比較優位と判断できる。
天城橋一般図
一般図

選定案は、鋼箱製のアーチリブを支間長350m(ソリッドリブ形式では日本一の支間長)で両端を固定支持とし、補剛桁は中央径間を鋼箱桁、側径間をPC箱桁で構成しています。

所在地熊本県上天草市大矢野町地内~熊本県宇城市三角町地内
発注機関熊本県土木部

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