竜閑さくら橋

土木学会デザイン賞2019 奨励賞受賞

大手町と神田・日本橋の間を通る首都高速に上空を覆われ、ひっそりと流れる日本橋川。そこに架かる竜閑さくら橋は、両岸を行き交う人々の日常の一部となるよう配慮し設計しました。

東京駅丸の内口から徒歩10分ほどのところに竜閑さくら橋は位置します。周辺にはオフィスビルが立ち並び、竜閑さくら橋と平行して鉄道の往来が続き、橋の上空と地下には首都高速が走っています。こうした都会的な空間のなかに再開発事業の地域貢献施設として竜閑さくら橋が建設されました。

人道橋である竜閑さくら橋は、歩行者にとっての利用しやすさを念頭に昇降施設配置や夜間景観などへ配慮した設計をしています。また、違和感なく歩行できる環境を整えることで、竜閑さくら橋からの風景が日常の一部となることを考え、鉄道への眺め、東京駅側への視線の抜けなどに配慮した設計を行いました。

大手町川端緑道からの眺め
曲線としたエレベーター前の高欄
平行する鉄道と上空を横断する首都高速
東京駅方面からの眺め
視認性の高いエレベータを設置

日本橋川沿いの橋詰広場や大手町川端緑道の緑は時間の経過とともに成長します。経年の変化にも耐えうるよう、竜閑さくら橋は装飾的なものを極力排除し、主構造から付属物まで一体的に検討し、部材端部やボルト類の納まり、材質や仕上げなど細部に至るまで配慮しています。色彩は、再開発建築物をはじめとした周辺の構造物と調和させるとともに、鉄道や首都高速が交差する周辺環境の中で長期間汚れが目立ちにくい銀鼠としています。

竜閑さくら橋と上空の首都高速
神田側橋詰広場
架橋位置東京都千代田区〜中央区
事業者独立行政法人都市再生機構
構造形式3径間連続鋼床版箱桁+鈑桁
橋長122.042m
支間長箱桁部:54.400m+40.700m、鈑桁部:20.963m
標準幅員総幅員7.0m(有効幅員6.0m)
架設工法箱桁部:送出し架設、鈑桁部:トラッククレーンベント架設

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