神戸港港湾幹線道路ハーバーハイウェイ
耐震性能グレードを考慮したハーバーハイウェイ長大橋部の耐震補強事業
鋼中路式3径間ダブルデッキアーチ橋の神戸大橋(橋長319m)、鋼5径間連続V脚ラーメン橋の灘浜大橋(橋長400m)他、神戸港港湾幹線道路ハーバーハイウェイの長大橋6橋の耐震補強事業計画の立案に当たり、構造性、施工性、経済性、維持管理において合理的な耐震対策を行うため、各長大橋の機能と役割に基づき、個別に耐震性能グレード(要求性能)を設定した耐震補強設計を実施しました。
対象橋梁は兵庫県南部地震を経験しており、その際のデータ(地盤、損傷、復旧実績等)を限界状態の設定や復旧の優先順位付けに有効活用し、損傷許容箇所と補強箇所の絞り込み等、メリハリをつけた性能設計として具体化したものです。本業績は、長大橋の耐震補強事業計画において、橋梁の目的別に重要度を分けた性能設計を新たに採用したこと、長期間の交通規制を伴わない施工期間の短縮(工期:約1年)や経済性等の観点から地域への貢献度が高いことなどが評価され、平成22年度 土木学会関西支部 技術賞を受賞しました。
設計では、設計地震動の算定~耐震性能評価~耐震補強工法検討~詳細設計~施工完了まで、委員会運営と並行して実施しました。新たな性能設計を実施するという目的を達成するため、委員の先生方には懇切丁寧な御意見を頂きながら、何度も足を運び、打合せを行わせて頂いた思い出があります。簡易なモデルで大がかりな補強を行うのではなく、鋼部材特有の座屈現象を考慮する橋全体系の複合非線形動的解析や一部にFEMシェル要素を組み込むなど高度な解析技術を駆使し、地震時の応答精度を高めることで、橋ごと、部材ごとに設定した要求性能を満足すべく性能設計を行って合理的な耐震補強対策を実現できたことは、将来の性能設計の足がけになると感じています。
【参考】
平成22年度土木学会関西支部 技術賞 受賞
平成22年度土木学会関西支部技術賞
耐震性能グレードを考慮したハーバーハイウェイ長大橋部の耐震補強事業
受賞者:神戸市みなと総局、大日本コンサルタント株式会社大阪支社、株式会社建設技術研究所大阪本社、ショーボンド建設株式会社近畿圏支社
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