新卒入社地質・地盤調査分野

業務を通じてエネルギーの安定供給、脱炭素社会へ貢献する

理学部 地球科学科
1995年入社 N.M
#新卒#ベテラン#若手育成#地質調査・解析(断層・地質構造)

経歴と現在の業務内容、コンサルのやりがいについて教えてください。

私は、1995年4月に入社し、今年で入社30年になります。
入社時の配属は東北支社で、会社合併時の2023年に地質解析事業部へ異動するまでの28年間は東北の地で過ごしました。前半は、国交省のダムを中心とした公共事業の地質調査に携わり、後半は主に電力関連業務に従事してきました。ダムの地質調査では、ダムサイトの候補地選定を含む初期段階の調査から関与し、広範囲の空中写真判読や第四紀断層調査等、あまり経験することのできない貴重な業務を担当させていただきました。
電力業務では、東日本大震災前後の約10年間は、青森県の原子力サイトに長期出張し、バックチェックや評価会合、新規制規準適合性審査対応の地質調査に従事しました。現在も再稼働に向けた地質データ拡充のための調査が続いていますが、後進の育成と発注者対応、同サイトを含む地質解析事業部全体の業務調整、操業管理等のマネジメント業務において事業部長を補佐していくことが今の私の役割となっています。
地質コンサルタントの仕事は、様々なデータから地下の見えない世界を「見える化」していく面白さがあります。特にクライアントが抱える地質リスクに対して、専門家として最適な解決策を提案し、自分の立てた仮説や予測が実際の調査や施工で裏付けられたときの喜びはひとしおです。目立つような仕事ではないかもしれませんが、人々の暮らしの安全と社会基盤の構築に不可欠なやりがいのある仕事と考えています。

大日本ダイヤコンサルタントで働き続けられた秘訣は何ですか。

入社して30年、ここまで働き続けられたのは何よりもまず、心身の健康が第一ではないかと感じています。かつて、円形脱毛症になっていることに散髪するまで気づかなかったこともありましたが、真冬のダム現場での昼夜作業等、過酷な現場を経験しながらも大病せずにここまでやってこられたのは、身体の健康あってこそです。そして何より、家族の支えをはじめ、発注者、諸先輩方、上司、同僚、部下、協力会社の皆さま、現場の宿泊先の方々など、多くの人に恵まれたおかげだと感じています。仙台で被災した東日本大震災の直後に、秋田の現場でお世話になった宿のみなさんから物資の支援をいただいたときは、人とのつながりに本当に感謝しました。
また、自分が調査した現場にダムやトンネル、橋等のインフラが整備された状況をみることができることも、仕事を続けていく上で大きなモチベーションとなりました。

今後挑戦したいことや夢について教えてください。

今後10年の電力需要は、AIの普及によるデータセンターや半導体工場の新増設によって約6%の増加が見込まれるとされています。大日本ダイヤコンサルタントのエネルギー施設(地質・地盤調査)分野の事業では、長年のノウハウをベースに高度な地質調査・解析技術を有していますが、付随する構造物の設計についてはこれまで関与していませんでした。構造物の基礎となる地質・地盤の情報を有し、地質リスクを把握していることは、上物の設計する上で大きな強みとなりますので、今後は、構造保全分野等、他分野とのシナジーを最大限に発揮して活動領域を広げ、業務を通じてエネルギーの安定供給、脱炭素社会へ貢献していきたいと考えています。また、合併して間もない若い会社ですので、若手技術者が働きがいをみつけ、安心して働くことのできる企業として成長するための礎の一つを築くことができればと思っています。

心に残っている先輩からの教えはなんですか。

「経験に勝る知識なし」
直接この言葉を言われた訳ではありませんが、入社3~4年目のときに、「マニュアルや参考図書を読んでわかったつもりでいてはダメ、実際に手を動かして経験して初めて自分のスキルとして身につくんだよ」ということを現場の大先輩から教わりました。当然、経験することで失敗することもありますが、それは若いうちに経験しておくべきことで、失敗から得られる学びは本には載っていない自分だけの知識、財産になります。若手の皆さんには、失敗を恐れずにどんどん新しいことに挑戦していって欲しいですね。

取材記事は2025年12月に作成したもので、
所属は取材当時のものです。