最適な評価手法を技量の制約なく利用したい

業務内容とやりがいについて教えてください。
業務内容は、浸透流解析を用いて地下水に関わるリスクを評価し、原子力関連施設の稼働やインフラ整備を支援することです。まず仕様書や既往資料を読み、現地調査データを突き合わせながら課題を整理し、解析条件書を作成します。解析条件書の作成では、「お客様が説明しやすいロジックか」「条件設定は目的に対して保守的か」「想定外の解析結果が出た場合の代替案はあるか」「根拠資料は用意できるか」などの論点を1つずつ検討していきます。条件書作成後は、モデル作成、計算、ポスト処理、結果報告、報告書作成へと続いていきます。やりがいを感じるのは、条件書作成段階です。複数の条件を組み合わせ、最適なストーリーを作成できた瞬間は、パズルを解き終えた時のようなスッキリ感があります。条件書を作成する部分はいつも悩むのですが、上司に自分では気が付かなかった問題点を指摘してもらい、協議しながら進めています。
入社の決め手は何ですか。
また、前職になくて大日本ダイヤコンサルタントにある魅力に感じたものはありますか。

前職では、汎用解析コードを用いて、原子力・橋梁・自動車などの構造解析を担当していました。幅広い分野に携われた一方で、対象や手法を絞らなければ深く掘り下げられないというジレンマを感じていました。さらに、市販の解析コードはブラックボックス化されており、疑問を販売元に問い合わせても解決しないことがしばしばありました。その点、大日本ダイヤコンサルタントは自社開発の浸透流解析コードを保有し、開発者に直接質問できる環境があります。そして、課題に合わせて解析コードを改良できる点にも魅力を感じました。また私は、身の回りの現象を定量的に理解したいという思いで数値計算に携わってきたため、解析対象を人工物に限定する必然性を感じていませんでした。そのため、自然現象に関心が広がったのはごく自然な流れであり、我々の生活と密接に結び付く地下水を選んだのも、その延長線上にあったのだろうと思います。
今後挑戦したいことや夢について教えてください。

入社して6年目ですが、知らないことばかりです。現在、身に付けたい知識が大きく分けて2つあります。1つ目は、水理学とその数値計算手法です。地表流等のDarcy則以外の流れを理解し、数値計算が実施できるようになりたいです。現在、浸透流解析に地表流を考慮できる市販の解析コードの使い方を勉強中です。理解できたら、次は自分で自社開発の解析コードを改良できるように勉強して、地表流の機能を追加したいです。2つ目は、情報系の分野です。数値計算を実行するための、オンプレミス計算機の管理や仮想サーバーの構築について学び、自分で計算環境を用意できるようになりたいです。また、機械学習を学び、現象の理解に役立てると共に、数値計算の代替が可能な問題へ適用したいと考えています。知識を増やすことで選択肢を増やし、問題に最適な評価手法を自身の技量不足で使用をあきらめることなく、自信を持って選択できる解析技術者になりたいです。
休日の過ごし方を教えてください。

休日は、放送大学の授業を受けたり、自宅や喫茶店で好きなコーヒーを飲みながら本を読んだりしていることが多いです。放送大学にも、他大学と同様に教室に集まる形式の授業があるのですが、幅広い年代の学生が自由に質問できる雰囲気の中で学べる点がとても魅力的です。また、美味しいものを食べに行くのが好きで、外出の際は気になる店を積極的に探し、新しい味を開拓することを楽しんでいます。
取材記事は2025年12月に作成したもので、
所属は取材当時のものです。